やあ[E:sign01]かぬまっこのみんな、げんきでやってるかい?

ひろぽんおにいさんだよ[E:scissors]

みんなだいすき「I[E:heart01]かぬま」、

こんげつは『[E:shine]にほんそばさみっといんかぬま[E:shine]』とくしゅうとだいして、

かぬまそば[E:clover]にかんするいろいろなじょうほうをおつたえしているよ[E:sun]


さてこんかいは・・・っておい。


いつから「I[E:heart01]かぬま」は子供向けの番組になったんだよ。

と自分で自分にノリツッコミをしたところで・・・


いやね、ぶっちゃけオープニングのご挨拶考えるのって結構大変なんすよ[E:gawk]

もう次回から挨拶抜きでいきなり本題入っちゃっていいすかね?


と、まぁ[E:happy01]軽く態度が悪いところで[E:coldsweats01][E:paper]


はい、今回も気合入れていきますん[E:sign01](どっちだよ)



改めまして・・・8月は[E:shine]「日本そばサミットin鹿沼」[E:shine]特集と題して、

鹿沼のそばとサミットに関わる色々な方のもとにおじゃま[E:run]していますが、

今回は、サミット2日目の各イベントに携わっている重要人物のお1人、

市内上材木町在住の歯科医「福嶌隆夫(ふくしま たかお」さん[E:clover]

をご紹介しちゃいます[E:flair]



bf209c8b.jpg




えっ?歯医者さんがどうしてそばに関係あるの?って??

確かに確かに[E:bearing]

実はこの福嶌先生・・・本業の歯科医業の傍ら、そば好きが嵩じてご自身で打ち始めること実に15年[E:sign01]

現在はそば好きの有志で結成した「鹿沼そば打ち研究会」に所属し、

鹿沼のそばの発展のため様々な取り組みをしておられます[E:sun][E:sun]


そば打ちに本格的にのめり込むきっかけとなったエピソードも実に興味深くて・・・

そのあたりも含めて、今回もおなじみマルもり[E:aries]が色々と伺いましたよ[E:scissors]



bc811c18.jpg




[E:aries]【現在先生が所属しておられる「鹿沼そば打ち研究会」について、どういった組織なんでしょうか?】
「栃木には、「栃木の美味い蕎麦を食べる会」という会がありまして、そこにぼくらは元々所属していたのですが、その気のあった鹿沼の仲間と、あと市外からも何人か参加されているのですが、鹿沼でもいろんな機会にそばを打って提供したり、たとえば「さつきマラソン」の時に、鹿沼のにらそばのPRのために全国から集まる方のためにそばを打って、それはチャリティーでやるんですが、そういうことをやったりとか・・・」

「あとは生子神社の「泣き相撲」、その前の週に地域で清掃活動をやるんですよね。で、もうみんな小学生から中学生から自治会の人みんなが集まってやるんですけども、そこでそばを振舞ったりとか、そんないろんな行事があって、やるにあたってやっぱり鹿沼って名前の付く組織が欲しいねってことで、4年前に始まりました。なので「栃木の美味い蕎麦を食べる会」とは親子のような関係なんですけど、そっちの会と一緒に日光そばまつりに参加したりだとか、あと鹿沼そば天国・・・我々は素人なのでお店自体は出さないのですが、そのお手伝いをしたりとか、鹿沼市のそばの発展のために・・・まぁそう言うと大げさですが(笑)いろんな協力をしたいということで始まりました。はい」
「会員は16名います。ほんと気のあった仲間でやってるものですから、だんだんと増やしていければという考えもあるのですが、場所がなかなか手狭ということもありまして、今のところ気のあった者同士で。で、会員さんからの紹介とかでぜひやりたいという方で徐々に増えてはきているんですけども。皆一般の人ですね。入会資格とかも無いです。誰でも入れます」


[E:aries]【そもそも歯科医である福嶌先生が、どうしてそば打ちを始められたのですか?】


「15年位前になるんですけども、歯科医師会の仲間でそば打ちをやる先生がいて、そのそばを食べさせていただいてすごく美味しかったんですね。昔からそばは好きだったんですが、こんなに素人が打てるんだと思って」

「で、まぁ、本を買って試してみたのが最初だったんですけどね。で、最初はやっぱり、スプーンで食べるような・・・よくそう言うんですけども、そばができちゃいまして。ただそば粉はいいそば粉を使ったので、短いなりに美味しいそばができたんですよ。ただこれじゃいけないということで、宇都宮にあるそば屋さんでそば教室があったのでそれに参加しまして、その時懇切丁寧に指導いただいて、美味しいそば粉だったので、出来上がったそばがなかなか良いものができたんですね。それを家族や親戚に振舞ったところ、もうすごい大反響でめちゃめちゃ褒められちゃいましてね・・・あまり褒められることがなかったものですから、それでハマっちゃったんですよね(笑)」



[E:aries]【サミットの2日目にそば打ち体験をご担当されますが、具体的にはどういうことをされますか?】
「そうですね、午前9時から午後1時までの日程でやるんですけれども、まず始めに我々の仲間がデモ打ちをやって、そば打ちってのはこうやってやるんですよと解説しながらやりまして、そのあと参加者の方々に実際にそば打ちをやってもらって、で、我々はアマチュアなのですが、その代わり基本に忠実というか、素人の人がどうやってそばを打つかってのが意外と良くわかるんですね。懇切丁寧に指導いたしますので、どなたでも美味しい蕎麦が打てるようにやりたいと思います。その後は、教えながらそば打ちってのは結構時間がかかるので、まぁ昼前には終わると思うんですけども、お昼には講師が打ったそばをみんなで食べて、みなさんが打たれたそばはお土産でお持ち帰りいただいて、ツユもこちらでお付けしますので、それで持ち帰っていただいてご家族に褒めてもらうと(笑)」

「当日は北押原コミュニティセンターってところでやるんですけども、まだ出来たてのすごいきれいなコミュニティセンターで、そこの調理室と会議室で、会員が持ってる台をを持ち込んで、だから立ったまま気軽に蕎麦打ちができるように、道具もみんな貸し出しします。清潔な格好で、まぁエプロンとかふきんとか、あとは髪の毛を隠すようなものだけ用意してもらえればどなたでも参加できますからね」


ほとんど手ぶら同然で参加できちゃうっていうのは、すごいですね[E:wink]


[E:aries]【福島先生も講師として参加する予定ですよね?】


「はい、もちろん参加する予定です」


[E:aries]【先生に教われば、私のような素人でも美味しい蕎麦を打てるようになりますでしょうか(笑)】


「はい(笑)。蕎麦打ちはね、決して難しくはないんですよね。きちんとした手順を守ってやればどなたでも・・・そば粉は美味しいものを用意しますので、どなたでも美味しい蕎麦を打てるようになります」


それはぜひとも参加しなきゃ、ですね[E:good]



a2395983.jpg


32b545c1.jpg



見てください、この栄光の数々を[E:shine]


b957201d.jpg



[E:aries]【段位など取ってらっしゃいますが、肩書きは・・・?】


「まぁ、4段なんですけどもね。4段で、4段をとった時の最優秀賞。。群馬の大会でも名人になったんですよ。あとは、この間東京で大江戸名人大会っていうのがあって、準名人。ほんとは福井に全国名人大会ってのがあって、それがそば打ちやる人にとっての甲子園みたいなものなんだけど、うん。それも名人になりたいんだけど(笑。)それも何回も出てるんだけどそれはまだ(笑)。でも予選があるんですよ。予選を通った時の賞状もそこにありますけども、予選を通らないと出られない。出られるまでに結構大変で。関東は千葉でやって東京でやって、北関東は群馬と茨城と、4ヶ所あるかな。大体40名とか位ですね。で3人くらい選ばれて・・・結構なかなか大変なんですよね。それが目標なんですけどもね」
「全麺協ってのがあって、素人そば打ち段位認定制度ってのがあって、それの4段なんですね。それの審査員でもあるんですけども、4段以上になると審査員になれて、初段・2段の人の審査をしたり。5段まであります。5段はちょっと・・・全麺協って組織に貢献しないといけないんだよね(笑)。政治力ですね(笑)。現役だからちょっとなかなか(笑)。海外視察まで行くんだよ。さすがに海外視察まで行って仕事休むわけにもいかないからね。それはまぁ、封印して、福井の名人戦を目指してるんですよ」


b9d2bb35.jpg




[E:aries]【先生がハマったという蕎麦打ちの楽しさや魅力はどんなところですか?】
「そばはすごくシンプルな食べ物で、そば粉とつなぎは小麦粉を使って僕ら打つんですけども・・・それと水だけなんですね。で、あとはその日の手先でとにかくそばというモノに仕上げるということで、その時に気候にもよるし体調にもよるし、同じそばってのはなかなか2度は打てないというか、15年もやってますけど、何年やっても飽きないですね。あとはそば粉によっても違いますし、うん・・・で、それをみなさんにやっぱり素人なんで配っちゃうんですけど、美味しいとかね、褒められちゃうとこれがまたハマっちゃうんですよ(笑)」

「そばって、つなぐのは最初はちょっと難しいんですけども、うまくそばが打てるようになると、『人と人をつなぐ力』もあるんですね。で、もう結構そばブームも長いんですけど、いつか無くなるかなと思ったらますます加熱してきて、その縁でいろんな人と知り合いにもなったし、今回こういうそば教室を開いたりとかね、いろんな人と知り合いになるのが楽しみです」

[E:aries]【そばを打つときに心がけているポイントを教えていただけますか?】


「そうですね、やっぱり水回しっていうのが・・・粉の一粒一粒に水をよく回さないと、そこでまばらな・・・水がよく回ってない粉があると、そこから切れちゃうんですね。それでボソボソした短いそばになってしまうんですけども、一粒一粒にしっかり水を回してあげると、美味しい蕎麦ができるんですよ。そこまででそばは決まってしまうようなところがあって、水回しっていうのは・・・先程『人と人をつなげる』お話しをしましたけれども、気配りとおんなじで、すみずみまで気を配ってあげると美味しい蕎麦ができると思います」



[E:aries]【これまでそばサミットは全て東京開催だったのですけども、今回初めて地方で、しかも鹿沼で開催されるということへの感想などはありますか?】


「はい。あの、栃木県っていうのはそばの作付面積が全国で8位と、結構たくさん作られていて、美味しい質の良いそばもできますしね。そば店もたくさんあるのですが、全国的な知名度ってのが無いんですね。例えば「信州そば」とか、茨城だと「日立秋そば」っていってブランドのそばがあったりして、だからそういうものを広めるにはね・・・また特に鹿沼は栃木県内でも作付面積が一番多いんですよ。で、粟野地区とか美味しい蕎麦が取れる有名な所もたくさんありまして、だけども知られていないんですよね。ただ近年にらそばがテレビで紹介されまして、ちょっとしたにらそばブームがおきまして、そういったものを全国の皆さんに知っていただくという意味ですごく意義があると思うんですね」

「あとはまぁ、東日本大震災で、福島の原発の事故で影響で栃木はやっぱり放射線に汚染されてるとか、そういうイメージがね、できちゃいましたから・・・今年さつきマラソンでそばを提供した時も、鹿沼市でしっかり計測してもらいまして、不検出ということで。そばは幸いにもみんな不検出なんですね。だから今回も安全なそば粉を全国のみなさんに提供して、栃木県鹿沼のそばは安心だということもぜひPR出来たらいいなと思います」

[E:aries]【今回のそばサミットで、福嶌先生がご自身のそば打ち体験の他に、かける想いといいますか、成功への想い・期待をお願いします】


「鹿沼市とそばの組合さんが主催で、我々素人はお手伝いということで参加させていただくんですけども、まぁ、やっぱり素人なりにできることをやって、そばサミットが成功するようにね、うん、ぜひとも協力したいと思います」

「それからお祭りが来月・・・鹿沼のぶっつけ秋祭りがあるんですが、交友会の中でお祭りの開会と閉会にやる『気やり』・・・初めて気合で締めましょうっていう案が出まして、たまたま、ここ上材木町っていうんですけども、そこにあるのがお祭りの半纏なんですけどもね、




ee9e131c.jpg




上材木町の若い衆に協力してもらって、気やりをしながらみんなで入場して、最後は『締め気やり』ってのがあるんですが、それをやって、で鹿沼のお祭りの締めで、『鹿沼締め』で会を閉じるというような、たまたまその役割にも関係して、僕もお祭りの格好して気やりを歌うんですね。だからそういったことでも盛り上げられればいいなと思います!」


お祭りのお話しになった途端に、福嶌先生の目の奥に燃え盛る闘志の炎[E:impact]が・・・[E:coldsweats02]

くぅ~[E:sign01]熱いぜ[E:sign03]



さてさて、このあたりで実際にそばを打っておられる現場におじゃましたいと思います[E:run]



a634aaac.jpg



「これがアジトなんです(笑)」

「カミさん?いや入れんだけど・・・(笑)ただほら、そば打ちって用意が大変なんで、散らかるし、出して片付けてってやってる人はなかなかできないんだけど、もう常設でそば打ち部屋があるもんですからはまっちゃって」



ア ジ ト・・・なんて素敵な響き[E:flair]



2e42582b.jpg



This is  鏡面仕上げ[E:sign01]


[E:aries]【これは立派ですね~ひょっとして特注ですか?】


「いや、特注ではないんだけど多少アレンジはしてあります。これは福井県の包丁の有名な鍛冶屋さんみたいなのがあって、こういう薄い包丁を・・・これが皆憧れなんだよね(笑)」


いやいや、こんな光ってる[E:shine]包丁初めて見ましたよ[E:coldsweats02]



b41e4226.jpg




「捏ね鉢は・・・安物(笑)。すごいいいものもあるんですよ。とちの木でできてるんですよ。栃木県のあれで。とちの木が一番良くて、それに漆をかけて黒赤に仕上げてあるのが一番いいんですね。これは中身はインチキなんですね(笑)。で漆じゃなくて樹脂が塗ってあると。ただ持ち運びするのにはこういうのがいいんですよ。そのへんにいいものも隠してあるんだけど(笑)、ぶつけたりして傷がついちゃいますから」


なるほど、一張羅はイザという時のために大切に保存しておくんですね[E:scissors]



aef52790.jpg




「まな板と言って、切り板なんですけども・・・普通のだとこういうふうに・・・切れちゃうんですよね。筋が縦にとるってのが・・・で減っちゃうんですよ。これは木を縦に使ってるんですよ。角材を短く切ってそれを貼り合わせたと。で仕上げたと。そうすると当たりが柔らかくて包丁が傷めないのと減らない。なかなか(笑)。片倉さんってひとが考えたやつで」



b8323001.jpg




ほんとだ[E:coldsweats02]整然とした木目が美しい。。



28b4438f.jpg


1a64d170.jpg




「綿棒はいつも3本。ぼくらは江戸流なんですよ。まぁ鹿沼なんかだと丸く一本の棒でトントンとやるんだけど、それができなくて。ただそれもこれから覚えたいんですけどね。地方の打ち方も。。大会の時はスピードと、台が小さいので、丸く大きくってできないんですよね。だから3本で打つ人がほとんどになった。全麺協って、全国麺類文化地域感交流推進協議会、要は最初は村おこしから始まったんですね、富山県の。地方発なんだけどいつのまにか江戸打ちになっちゃったと。矛盾してんだよね(笑)。丹波の奥の方のおばちゃんがトントントントンとやるのが、そういうのがだんだんいなくなっちゃって、今度勉強しに行こうってみんなで言ってるんだよね」



71d2ec91.jpg




「蕎麦打ちはやったほうがいいの?テレビじゃないからこの格好でいいよね。でも本当はやりたくないんだよね暑くって(笑)」


なんて言いつつ笑顔の福嶌先生[E:happy01]

優しいな~ぜひともお願いします[E:sign01]



89ff36e4.jpg



帽子と前掛けで準備万端[E:rock]

ここからは一気にご覧いただきます[E:sign03]


005cab2d.jpg



[E:aries]【粉にもこだわりがあるんですか?】


「そうですね、畑があって、うん、そば作ってるんですよ。一応鹿沼そば打ち研究会はなんでも鹿沼産、ってゆうか自分産ですね。自分産にこだわって(笑)。地粉地粉っていうけども、地元の地じゃなくて自分の粉(笑)。友達が農作業を手伝ってくれたりして、結構楽しみにしてんだよね(笑)。畑はね、1反歩はないんだけど、8000歩ってとこかな、8がけくらい。で、機械を使わずに全部手でやるんだけど、そばってのは蒔けば勝手に大きくなって、蒔くのとかるのとだけやれば。。ほんとは途中で草取りとかやればいいんですけども」


1cf88dc6.jpg



「割合は7:3で・・・このそば粉は結構粗挽きなんですよ。粗挽きだと打ちづらいんだけど、香りが良いので僕は美味しいと思ってます。鹿沼のそばは殻ごと挽いてるんだけど、都会のそばはそうじゃない。そうすると物足りないんだよね。都会の人には文句言われるんだけど(笑)。栃木県の山沿いなんかはそういうの多いですよね」


39c85e60.jpg


e57f8817.jpg


1a3fcac0.jpg



「ふるいにかけるのはよく混ざるっていうのがあって、見てわかるとおりダマがあるでしょ。場合によっては異物が混じってたりとか、製粉所で買った粉ってほぼ虫が湧かないんですけど、これは自分たちで育てて採ったそばなんで、虫が湧くこともないとはいえない。まぁ虫って言っても穀物しか食ってない虫だから害もないし、美味しいそばしか食ってない虫だから(笑)」


51ea5831.jpg


6f3a8fdd.jpg


80fe497b.jpg


6d759cd5.jpg



「きれいに混ざったら、大体1キロで500ccなんですけど、半分ずつ入れるのが基本なんだけど、慣れてるなら7割8割入れちゃっても・・・プロのおそば屋さんだと一気に全部入れちゃう人もいるんですけど・・・そのほうが効率的ではあるんだけどね」


cae3e7a7.jpg


d5eb6fbb.jpg



「指を立てた状態で、こう・・・ここが粉と水を均等に混ぜるってとこなんですけど、こういう大きいとこに水がいっぱいあるんですよ。周りに飛び散ってる粉の部分には水がいってないんで、煽る・・・ここで練っちゃうとダメなんです。均等な状態じゃないのに練っちゃうとっそばが短くなっちゃったり、のど越しが悪くなっちゃたりするんで、まずは力は入ってないんですよ」


38206001.jpg


2a421499.jpg


8c3d6ab8.jpg


fe6b967f.jpg


7b57c45e.jpg



「見た時に色が均等になってない、白いとこは水が無いんですね。全体的に色が濃くなったと思うんですけど、全体的に粒が揃って・・・なるべく粒の大きさも均等になるように・・・手についたのは乾いちゃうんで、途中で落としてあげながら・・・慣れない人がやってると手が全部ベタベタになっちゃうんですよ。最初はこう、指を立てて指先だけでやるっていうのがコツ。それによって練らないで水を均等に・・・要はかき混ぜてるわけだから、5本の棒(指)で、こう・・・指を棒のようにして・・・で、どうしても慣れてない人はこうやって固めたくなっちゃうでしょ。それを固めちゃうと失敗しちゃうので、水をちょっと入れて・・・水が入ると小さい粒が勝手にくっついてくるんですね。この時点でも指は立てたままで。圧力も加えないで、ただ混ぜて水のチカラで細かい粒同士が勝手によってくるのを待つ」


4060bed7.jpg


d4a9ff6e.jpg



「だいぶ大きくなってきたでしょ?まとまって大きく、下に散らばってたのがなくなって、ちっちゃい粒は下に沈むんですけど、これがだんだんこう・・・混ぜてると自然に・・・ここでも力を抜いて手のひらを浮かせて圧力がかかってないんですよ。で、転がしてるうちに雪だるまじゃないけどくっついてくるんですね。固めないで我慢して・・・じっくりだけど手早く。多分まだ5分もかかってないですね。あんまり時間がかかっちゃうと乾くのと競争になっちゃうので。。」


f4a0085a.jpg



「粒がだんだんこう・・・大きくなって・・・いろんな言い方があるんだけど、ゴルフボールくらいにゴロゴロなるのがいいとかいろいろあるんだけど、要はこういうね、細かいクズみたいのがなくなってきましたよね。これでも力を入れてないんですよ。特に粗挽きのそばは水の浸透にちょっと時間がかかる・・・粒が大きいので、無理に固めちゃうと後で大きい粒に水を奪われてしまってきちゃう。硬くなってしまうんですね。それで失敗しちゃう。粒同士がくっつくのを見ながら水を入れて・・・まぁもう勝手にまとまってきちゃうんですよ。ここまでで水回しがおしまいです」


「続いてここからが捏ねと。力を入れて捏ねます。そばを変形させないといけないんですよ。うどんじゃないから、うどんは上から踏みますけど、上からこう押さえてもいけないんですよ。で、少しこすりつけるくらいのね・・・でさっき粒々だったものを一体にするわけですよね」



79ca167e.jpg


31b4b90d.jpg


86ff5fde.jpg


a6ba5dac.jpg



「この時も手でやると疲れちゃうので、体全体でこう・・・そうすると汗もかかないはずなんだけどさ(笑)。で、まぁこういうふうにツルッとした面が出来たら大体切り上げるんですね」


6485c123.jpg


50bd83b1.jpg


b517bd2f.jpg



「あとはこの、傷の部分がそばが切れちゃう原因になるので、傷をなくしていく作業です。これが『菊練り』っていうんですけど。こういう感じ。真ん中にね、傷を集めて・・・」


31cc70c7.jpg



「次は『へそ出し』。へそ出しっていうのは、この傷をすぼめてなくしちゃうんですね。それで、全体的に傷の無い、まぁここまでで大体美味しい蕎麦ができるか決まっちゃうんです」


bfa15542.jpg



「次は基礎延しって言って手で・・・少しずつ伸ばしてくと綺麗に・・・」


71e212a6.jpg



「奈良部会長がおっしゃってたのはお世辞なんでしょうけど(笑)、プロの人ってのは美味しいそばを出すのが使命でさ、人に魅せるってことはあんまりしないんですよね。ぼくらはほら、イベントに行って人にそばを見せるのが趣味なんで、そういった意味では人前で打つことにはかえってプロの人よりも慣れてるのかもしれないですね。それがやりたくてイベントに行くと」

「見られてると、緊張っていうか、楽しいです。最初は緊張しました。そういうとこで失敗しながらだんだん上手くなるんですよ。うん。結構みんな見てて、穴があいたり切れたりすると喜ぶんだよ(笑)。会津大和のそば祭りで初めて人前にデビューした時、やっぱ暑かったですよね。夏で。棒で伸ばしながらベタっとくっついて、それをそのままベロッと巻き取っちゃったんですよね。くっついたまま。頭真っ白になったの覚えてます(笑)」



0f129d44.jpg



「今度は麺棒で。『丸出し』っていう作業なんですけど、丸を大きく。で基本は同じ角度で回して同じだけ伸すってことです。これを繰り返してけば、丸を崩さずに薄く大きく。。一箇所だけぐりぐりやっちゃうと変な形になっちゃう。だからあんまり途中の形にこだわらずに、時計の文字盤みたいに、5分刻みに進んでいく感じで、ある程度なったらこんどは猫手っていうんですけど、猫の手みたいな形でならしですね。11時12時1時2時って感じで・・・」


74b95b28.jpg


5a3db23c.jpg



「1キロ大体60センチだから・・・今度は四角く・・・今まで1本だったんですけど、今度は3本使います。『四つ出し』って言って四角く・・・今1つ目の角がでまして、これを4回繰り返すと最終的な形になるわけです。今は菱形の状態ですね。これは1メートル四方なんですけど、(のし板)1メーター10位あったほうがやりやすい」


6d0e1670.jpg


3c3d077c.jpg



「で、だいぶね、四角に近づいてきましたね。もう1キロだと大体、あと一回りくらい大きくなったらそれで・・・ちょうどいい太さのそばができるくらいの厚みにこれでなってるんです。一番大事なことは、同じ厚みに伸すってことが大事で、結局、食べて美味しいかは別にして、同じ太さにおそばを打つってことが基本なんですよ。手打ちでも。まぁ手打ちだからふぞろいのほうがいいって考えもあるんだけども・・・これは一応プロじゃない方向を目指してまして。。。で大体四角ができて、『肉分け』ってこう・・・無理して四角にしてるんで、淵の方に厚いのが残ってるんですよ。これを、肉をちょっと分散して均等な厚みになるように。で今度は『本伸し』」


fb8e09d8.jpg


aca4a8c4.jpg



「これで一応本伸しは終わって、あとは切り。。」


8e97adff.jpg
 


「『打粉』ってこれもそば粉なんですけども、打粉自体は中心部の味もそっけもない部分で、打ってる時はやっぱり少なく。切る時だけ多めに振って、ゆっくり包丁を振り下ろす。切りながら送ってるんですね。切って少し斜めに傾けて・・・」


5ccea82d.jpg



「で、まぁ目で見て切ってるようで、見てない。あとはリズムですよね。同じリズムで切ってると自然と揃ってくる」
トントントントン・・・小気味の良い音[E:note]
とにかくリズミカル[E:notes]

「あんまり細いとね、美味しくないから。1.7~8ミリ位の・・・普通のそばの太さですね。あらびきは細いそばには向いてないです」


68863d12.jpg



「大体音で、音が一定だと揃ってるんですよ。切り損じですっぽ抜けちゃったりするとほんと甲高い音がしたりとか。うん」


05e51a21.jpg



「で、こんな感じかな・・・大会の時はこれが40分だったり30分だったり、制限時間があるんですけども。横にタイマーがあるんですよ。大会の前は練習しますね。夜中にやったりとかね(笑)。暇を搾り出してやるのが楽しいですよ」


6e3f8018.jpg



見てください、この見事に揃った美しいおそばを・・・[E:catface]


2aa6462d.jpg



「水回しの部分を木鉢って言うんですけど、木鉢3年って言うんですね・・・やっぱり木鉢の部分が一番難しい、修行するのに3年かかると。伸ばしが3月、3ヶ月でマスターできて、切り3日っていうんですね。包丁がいちばん易しいっていうんですよね。昔からそう言う言葉があるんですけども。でも素人には包丁が一番難しいですよ。それまではやったことないからね(笑)」



最初から最後まで思わず言葉を失ったまま見とれてしまった、「素早く品のある」手さばき。

やっぱりこれだけの長い年月打ってきた方ならではのものなんですよね[E:confident]


打ち上がったこのおそば、どあつかましくもお土産にいただいちゃいました[E:scissors]

部ログ担当のひろぽん[E:penguin]が、

打った方の正体を伏せたまま、自称「そば通」の親族に食べさせたところ・・・

「どこの店で買ってきたんだ?ずいぶんと美味いそばだなぁ[E:sign03]」

と予想通り絶賛の嵐[E:typhoon][E:typhoon]

したやったり、なのでした[E:smile]



[E:aries]【番組をお聞きのリスナーさんでも、趣味でそば打ちをやられている方がいると思うんですが、そういう方へ向けてのメッセージをお願いします】


「はい。今そば打ちブームで、そば打ちやられている方ってほんとにたくさんいるんですよね。で、結構知らない所で話が妙に合っちゃったりとかあるんですけども、そば打ちってほんと『人と人をつなぐ』ところがあって、そば打ちやってるもの同士だとすぐ話が弾んじゃいますし、いろんな知らない方と仲良くなれるのでね、ぜひ続けてもらいたいとな思います。で、一人でやってるとなかなか難しくて、今はDVDなんかもありますけども、自分一人だとなかなかうまくいかないんです。で、例えばうちの研究会であるとか、栃木の美味いそばを食べる会であるとか、講習会なんかもやってますので、何かの機会にご利用いただけるときっと美味いそばが打てるようになるんじゃないかなと思います」
[E:aries]【最後に、先生にとってそばとは?】


「新しい世界がひらけた・・・歯科医は狭い世界の仕事なんですけども、それを飛び越えてそばサミットにかかわったりだとか、ボランティアでいろんなところを訪問して、いろんな話を聞いたりだとか、世界が本当に広くなりましたね。普段はなかなかお話できないような人とも、結構、全国に大会なんかがあって出かけたり、北は北海道から広島くらいまでは仲間がいたりして、世界が広がって、今はなくてはならないものですね」



汗だく[E:sweat01]になりながらも、最後まで気前良くお話しくださった福嶌先生。


「この年になるとあまりドキドキすることもないし、普通は。だから大会なんかの時はものすごく緊張するんだけども、緊張するドキドキ感ってのが楽しいんだよね。そのあと飲むビールが美味しかったり。残念会やったり祝勝会やったり。世間的には趣味として受けはいいんですよ。うちのはあきれてますけどね。『奥さんいいでしょ』ってみんなに言われてるけど。もううちの奥さん子供は喜ばない、食べ過ぎて(笑)」


その目はいつまでも、少年のように輝いていました[E:shine]


福嶌先生、これからも末永くお元気で、

たくさんの方々に美味しいそばをご馳走してあげてくださいね[E:happy02]

本当にありがとうございました[E:clover][E:clover]



「[E:clover]日本そばサミットin鹿沼[E:clover]」は9月1日(土)・2日(日)に市内「ニューサンピア」で行われます。

2日目の「そば打ち教室」は、福嶌先生のお話しにもありました通り、

別会場の「北押原コミュニティーセンター」(鹿沼市樅山町162-2)」にて行われますので、くれぐれご注意くださいね[E:bearing]

詳しいお問い合わせは、


【日本そばサミットin鹿沼事務局 鹿沼市産業振興課内】

[E:telephone]0289-63-2196 までお願いします[E:scissors]



おまけ。



48d87fc1.jpg




もしかして、歯科医引退後の世界を見据えてのもの・・・かな??



次回の「I[E:heart01]かぬま部ログ」は、サミット2日目の重要人物その②、

「そばの里 久我」の青柳秀男さんのご紹介です[E:sign01]

お楽しみに[E:rock]